あのね、先生。
「…違うよ、1人で…」
「ほんとのこと言わないなら、加地くんに直接確かめに行くけどいい?」
ごめん、茉央ちゃん。
困らせてばっかで、ごめん。
「…ダメ」
俺の腕をキュッと掴んで弱々しく言った。
誰が見たって、もうそれが答えだって。
「…優真と、一緒にいたよ」
一緒にいたことを責めるつもりはない。
責める権利はないし、多分加地くんとちゃんと話すって言ってた日のことだと思うから。
…だけど、一緒にいながらこんな怪我をさせてることがどうしても気に食わなかった。
「…自転車にぶつかったってのはほんとなんだよね?」
「うん、ほんと」
状況はどうだったか分からないけど、俺が一緒にいたかった。
俺だったらこんな怪我絶対にさせないのに、なんてくだらないことが頭の中をグルグル回る。