あのね、先生。

｢もう少し俺に頼ってよ｣

心配かけるから怪我しても連絡しないでおこう、とか、そんなこと考えなくなるくらい頼ってほしい。

俺に言わない、なんて選択肢がなくなるくらい俺を頼ってほしい。

｢急に連絡取れなくなったりしたらさ、すげー不安になんの｣

茉央ちゃんは俺をジッと見つめる。だから何か恥ずかしくなって歩き出した。

誰が聞いたって、茉央ちゃんのことが好きでたまらないって分かる。


｢知らないでしょ、茉央ちゃん｣

｢え？｣

｢俺こんなに余裕ないの初めてで、どうしたらいいか分かんなくて困ってんの｣

どうしたら伝わる？

カッコ悪いって分かってても、それでも茉央ちゃんじゃなきゃダメなんだ。

｢好きだから、茉央ちゃんがピンチになったときは俺が一番傍にいたい｣

｢…あたしも、あたしがピンチなときは先生に一番傍にいてほしいよ｣

｢俺超能力者じゃないから、茉央ちゃんが今ピンチだ、とか分かんないの。だから、言ってよ、そのときは｣