あのね、先生。

「でもさ、今回のことは茉央ちゃんのわがままなんかじゃないでしょ」

わがままじゃなくて、出来れば…っていうか、当たり前みたいに話しておいてほしいことだった。

「茉央ちゃんもさ、俺が大怪我してんのに何も話さず連絡もとれないってなったら、嫌じゃない?」

「…うん、嫌」

「俺も一緒だから」

「…そうだよね」

まぁでも、怒った理由には少しだけ加地くんが絡んでたってこともあるんだけど。

こんなことで怒るなんて、どれだけ自分の心が狭いか思い知らされる。


「せんせ?」

「ん?」

俺の隣で、俺が幸せにしてあげたい。

「次会うの、堂々と先生の隣を歩けるようになってからだね」

誰かが幸せにしてくれればそれでいいなんて、もう思えないから。

「その時は、俺から迎えに行くよ」

だから、早く俺のとこにおいで。
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