あのね、先生。


先生と会った日から数日経って、腕と足の包帯はとれた。傷跡は残ったままだけど、随分ましになって。

額のガーゼも簡易的なものに変わって、すっかり治ってきたって感じだった。

だからきっと、もうすぐなんだろうなって思ってたんだ。


夏休みはもうすぐ終わる。

随分と時間が経った。

だって先生と再会したのはもう3ヶ月も前のことで、そんなに長い期間優真に辛い思いをさせていたってことになる。

あたしが言うまで、気づかないふりをして。それでもずっと優しくて。

それを思うと、まだ本当にいいのかな、なんて思ってしまう。

こんな性格だから優真も先生も傷つけてしまっているのに、それを分かっていて同じことを繰り返してしまうんだ。


【今から会える?】


優真から届いたメッセージはそれだけだったのに、返すのに時間がかかった。

そのメッセージが何を意味するのか分かっているから。
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