あのね、先生。
【大丈夫だよ】
そう返して、しばらくは動けなかった。
だけど、これはあたしが望んだことだから。行かなくちゃ。
あぁでも、腕や足に残った傷跡を見たら優真はどう思うのかな。
俺のせいだって、思うのかな。
…それだけは嫌。
着替えようと開いたクローゼットの中から、傷跡が隠れるようにカーディガンを引っ張り出した。
少し暑いけど、我慢できる。
そして目に付いたのは、白いフレアスカート。春、優真と会うときに着ようと思って買ったものだった。
これだけは、先生と会うときには着ないでおこうと決めてた。だってこれは、優真を想って選んだものだから。
優真を想って選んだこのスカートは、今日優真のためだけに着るの。
…だから、今日が最後。