あのね、先生。
「咲良、また泣くようなことがあったら絶対俺に言えよ!蓮くん一発殴りに行くから!」
シロが言った言葉に梨花が呆れたようにため息をついて、背中をバシッと叩いた。
余計なこと言うなってことだろう。
シロらしいっていうか…
「俺も、すぐ殴りに行く。」
「…加地くんまで何言ってんのよ」
シロに続いて加地くんまでそんなことを言うもんだから、梨花はもう呆れて笑ってた。
「大丈夫、もう絶対に離さないから」
シロと加地くんをしっかりと見て、先生はハッキリとそう言った。
きっとあたしにも言ってる。
″もう絶対に離さない″
その言葉だけであたし、今まで辛かったこともこの幸せのためだったんだって思えるんだよ。
「今さらって思うかもしれないけど、ちゃんと気づけたから」
先生は今度はあたしを見て言った。
「茉央ちゃんより大切なものなんてないって」
あたしを幸せにする魔法の言葉を。