あのね、先生。
あのね、先生。
夏が終わって、秋が終わって、冬なんてあっという間に過ぎていった。
気がつけば、不安だった就職先もちゃんと決まって、先生に出逢ってから4度目の春が来た。
…それは同時に、これから社会人になるってことを示してて。
梨花やシロや加地くんとも、離れるんだってことだった。
賑やかなこの場所に、こうして4人で通うこともなくなるのかと思うと、やっぱり涙は自然と溢れてきた。
それは梨花も同じみたいで、ポタポタと涙を流す。
「そんな泣くなよー、なにも会えなくなるわけじゃねぇんだから」
「えー?そういう白城くんだって目赤いんだけど」
「うるせーわ」
無事に卒業式を終えたあたしたちは、しばらく立ち止まったまま動けずにいた。
「でもさ、やっぱり今みたいに頻繁に会うことって出来なくなるでしょ?それってさみしくない?それが当たり前だったのに」
「お前らはどうせこれからも変わらず会うんだろ。付き合ってんだから」
「えっ!」