あのね、先生。

加地くんの言った言葉に驚いたのはあたしだけだった。

付き合ってる？いつから？

ていうか、シロと梨花がっ？


｢なに、気づかなかったわけ？｣

｢逆に何で加地くん知ってんの！｣

｢見てりゃ分かるじゃん｣

…さすが加地くん。勘鋭いわ。


｢ほんとは茉央にも言おうとしたんだけどね、何か恥ずかしくてなかなか…｣

｢そっか…でもよかったね！｣

大学に入学して、だんだん仲良くなっていく２人を見てるといつかこうなる日が来るんじゃないかって思ってた。

まさかほんとにそうなるとは。


｢ごめんな加地、先越して。｣

｢うるせぇ黙れ。｣

｢んなに怒んなよー、心配しなくても俺はお前のことも好きだから｣

｢気持ちわりー、やめろよ｣

肩を組もうとするシロの手を振り払って歩き出す加地くん。あたしたちもそれを追って、やっとそこから歩き出した。