あのね、先生。

「就職したら、4人揃うのも難しくなるんだよな」

「バラバラだもんね」

自分で言って少し悲しくなった。

受験勉強も一緒に頑張って、大学に入学してからもずっと一緒にいた気がする。

すごく濃い時間だった。

だからこそ、これからそういう時間が減っていくと思うとさみしくなる。


「でも会えないわけじゃないだろ」

「…ま、加地の言うとおりか。全く会えないわけじゃないし、またこうして何度も集まればいいよな」


加地くんは高3からの付き合いだけど、いつだってあたしにハッキリと間違ってるって言ってくれた。

それがいくら言いにくいことでも、自分が悪者になっても、ちゃんと言ってくれた。

…付き合ってるときだって、不器用だったけどあたしが傷つかないように、いつも先回りしてくれてた。
< 318 / 328 >

この作品をシェア

pagetop