あのね、先生。

会いに行けるわけない。

いくら花言葉を知ったって、今さら先生の気持ちを確かめることなんて、出来るわけない。

そんなの、優真に失礼だ。

まだ引きずってんのかって、まだ忘れてないのかって、不安にさせるだけ。


…そう分かっているのに。

それなのに、たったこれだけのことで頭の中を支配してしまうんだ。

どれだけ時間が経っていても、あたしはあのときに引き戻されてしまう。

最低だ。

こんなことを考えてしまう自分が。

会ってどうする?

あたし、こんな風に考えて、会ってどうするつもりなんだろう。

優真と別れる?

……そんなこと、絶対に出来ない。
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