あのね、先生。

先生に会えたこともそうだけど、あたしきっとすごく運が良かった。

こんなに大事だって思える人たちと出会えたんだもん。

ほんとに、よかった。


「お、咲良、来てんじゃん」

「え?」

シロが指差す先。

門の近くの壁に寄りかかってる彼。


「じゃあね、茉央」

「一緒に行かないの?」

「バーカ、蓮くんはお前を迎えに来たんだよ」

加地くんに背中を押されてみんなから離れた。だけど名残惜しくて、自然と振り返ってしまう。


「咲良、蓮くんによろしく」

「祝ってもらいなよ」

そういうシロと梨花の手はしっかりと繋がれてて、あたしまで嬉しくなった。


「ほら、早く行けって」

「うんっ」

笑顔の3人に見送られて、あたしは先生が待つ門まで走った。
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