あのね、先生。
キラリと光る大人っぽいそれがあたしに似合うか分からないけど、先生はこれがあたしに似合うと思ってくれたんだ。
こんなに綺麗なもの、あたしにはもったいないくらいなのに。
嬉しくて、それを全部先生に伝えたくて、立ち止まると繋いでた手がグッと引っ張られて先生が振り返る。
「どうしたの?」
「んふふ」
何だか無性に言いたくなった。
「あのね、先生」
「あ、また先生って…」
そう言いながらもふにゃんと笑った先生に近づいて、唇にピタリと自分のそれをくっつけた。
初めて、自分からした。
だから先生もビックリしてるみたい。
「好きだよ、蓮くん」
照れくさいけど、ちゃんと言えた。
少ししていつもみたいにふにゃんと笑った先生に飛びつくと、先生は耳元で言った。
「俺も、茉央ちゃんが好きだよ」
とびきり甘い、愛の言葉を。
- END -