あのね、先生。
何があっても、どんなに気持ちが揺らいだとしても、それだけはダメ。
先生が関わることで優真と別れるなんていうのは、あたしが一番やっちゃいけないこと。
「茉央」
俯いて歩いてると、前から名前を呼ばれて。顔を上げると思っていた通り、そこには優真がいた。
「…どうしたの?カラオケは?」
今、どんな顔してるかな。
「一緒に行こうと思って待ってた」
「そっか、ごめんね遅くなって」
今、目の前にいるのは優真で。
今、あたしと話してるのも優真。
……それなのに、あたしの頭をぐるぐる回ってるのは、やっぱりスターチスの花言葉と先生のことだった。
「…優真…」
「ん?」