あのね、先生。

「スターチスって…知ってる?」

それを聞いてどうするの。

優真がそれを知ってたって、全然関係ないんだから。

「…何で?」

だけど、知ってる反応だった。


「知ってるの?」

「…知ってるっつーか……お前貰ってたじゃん、あのとき」

言葉が出なかった。

″あのとき″っていうのは、絶対に先生から貰ったときのことだ。

「…親戚が花屋やってんの。たまに手伝ったりするから、大体見れば分かるし…」

優真と付き合い始めて、この話題は一度も出てこなかった。

付き合ってきた時間の中で今日初めて、先生に関わることの会話をした。


「…ね、じゃあ…」

「ごめん、この話したくない。」

「え…?」
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