あのね、先生。

｢…分かってますよ｣

｢え？｣

｢見てれば分かります｣

俺、そんなに分かりやすかったかな。

前はもっと隠せてなかったっけ。

そういえば、最近は会うたびにユータにも言われる。後悔してんだろって。


｢ま、俺は応援も協力もしませんけど｣

そんな風に笑って言うから、一瞬ポカンとしてしまった。だけど、何だか俺まで笑えてきて。

｢んふふ、それは残念ですね｣

茉央ちゃんが頻繁に中村先生に会いに行ってた理由が今なら分かる気がする。

｢俺もあれから咲良には会ってないし、あいつが今どう思ってんのかも知らないですからね。…ただ…｣

中村先生が何か言いかけたとき


｢中村さん！｣

そんな声が聞こえてきた。