あのね、先生。

高橋さんだってそうだ。やっぱりあの頃とは少し変わった。

それを見ると、自然と思い浮かぶのは茉央ちゃんの姿で。

あぁでも、茉央ちゃんもあの頃とは違うよね。きっと、大人っぽくなってる。


「白城くん、今日はそんな話しに来たんじゃないでしょ?」

「あ、そうだった。」

「何だよ、何か用事?」

中村先生の問いかけに、白城くんはカバンから出したチラシで答えた。

「何だこれ」

「はい、蓮くんにもあげる」

「ありがと」

どうやらそれは彼らが通ってる大学の学園祭の案内らしい。

「去年は忙しくて来れなかったじゃん。だから今年は来るって言うまで粘ろうと思って。」

「わざわざ行くって聞かないんですよ。白城くんバイト休んでまで来たんですから、来てくださいよ」

これ、中村先生にか。

俺が誘われるわけないし。
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