あのね、先生。

「あー、そういえば去年行ってねぇなー」

「俺ら今年で最後だし、来てよ」

うちの学校ももうすぐ文化祭だ。

大学にしては少し時期が早い気もするけど、日にちを見るとうちの文化祭の2週間後になってる。

行事が終わって、少し落ち着いた時期。

中村先生、多分行くんじゃないかな。


「予定なかったら行くけど」

「ないって、中村さん暇じゃん」

「お前さ、高校教師なめんなよ。意外と忙しいんだからな」

2人のやりとりを聞いてると、あの頃に戻ったような感覚になった。

懐かしい感覚でそれを見てると、白城くんは俺を見て言う。


「…蓮くんも来るんだろ?」

当たり前みたいにそう言った白城くんに、俺よりも先に高橋さんが反応した。

「白城くん…」
< 44 / 328 >

この作品をシェア

pagetop