あのね、先生。
誕生日プレゼント
「…どれにすんの?」
ガラスケースの中をジッとみつめるあたしに、優真は呆れたように言った。
「だって…どれも美味しそうなんだもん」
「どれと迷ってんの?」
たくさんのケーキが並ぶガラスケース。
優真もあたしと同じように覗き込んで、全部買えば?なんて言ってくる。
「もー…そんなに食べきれないでしょ。優真はどれ食べたいの?」
「俺は何でもいいよ。茉央の誕生日じゃん、好きなの選べ」
あたしの誕生日は明日だけど、優真が泊まりに来れば?なんて言うから、20歳になる瞬間を優真の家で迎えることになった。
ケーキを買っていこうということになって、選んでる最中だった。
「どれ、食べたいの」
「これとー、これとこれとこれ!」
「…そ、じゃあ決まったな」