あのね、先生。
「…ううん、行かないよ」
行けるわけないよ。
だって、そこには先生がいる。
「…そ、じゃあ遊園地でも行く?」
「いいね、そうしよっか」
いつまで気にしてるんだろう。
いつまで優真を不安にさせるの。
急に先生に関わる話が出てきても、笑顔で話せるようにならなきゃいけないのに。
どうしてそんな簡単なことさえ出来ないんだろう。
「…優真は、文化祭行きたかった…?」
好きなんだよ、ちゃんと。
「…別に今年じゃなくても、来年も再来年も文化祭はやるだろ。行きたいと思ったときに行けばいいよ」
だってほら。
あたしが言いたいことを察して、焦らなくてもいいと安心させてくれる。
大事にしてくれてるって、言葉で言わなくてもちゃんと伝わってくるよ。
それはあのときからずっと変わってないし、多分これからも変わらないよね。
だからあたしも、その気持ちに応えたいと思ったんだよ。