あのね、先生。
体を起こして、ベッドを背にしてあたしの隣に座った。
「茉央」
名前を呼ばれて、時計から目を離して優真を見ると、唇にフニッと優真のそれが優しく触れた。
それはすぐに離れて、コツンと額がぶつかった。顔がボヤけてしまうくらいに近くにいた。
「誕生日、おめでと」
「んふふ、ありがとう」
時計の針がちょうど0時を指した。
優真は細長い箱からネックレスを出して、あたしに付けてくれる。
こんな風にちゃんとプレゼントを貰ったのはこれが初めてだった。
「似合う?」
「俺が選んだんだから絶対似合う」
「自信満々だね」
鏡を見ると、普段はないものがあたしの首元でキラキラ輝いてた。
「ありがと、優真」