あのね、先生。

｢高橋…｣

｢どうしたらいいんだろうね｣

ずっと、このままで終わっていいなんて思ってなかった。

高橋が俺の考えてることを見抜いたのは、高橋も同じようにずっと心のどこかでそう思ってたからだ。


｢…蓮くんの味方をしたいわけじゃない｣

｢…うん｣

｢でも、あのときの蓮くんの顔が頭から離れないんだよ｣

蓮くんが咲良を突き放した日、最後に一番咲良のことを考えて、自分のことを忘れるようにしてやってほしいと頼んできた、あのときの蓮くんが。


｢これで最後にする｣

ずっと蓮くんに罪悪感を抱いたまま過ごすのはしんどいよ。

｢咲良がどっちを選んでも、俺はもう後悔しない。責められてもいい。｣

｢…なんか、白城くんらしいって言うか…そのときはあたしも一緒だよ。知ってて止めなかったんだから、共犯｣