あのね、先生。
優真 side
ときどき不安になる。
茉央はちゃんと俺の隣にいるはずなのに、ちゃんと手を繋いでるはずなのに、俺を見てない気がして。
「…優真?」
「ん…何?」
「何って、ちゃんと話聞いてた?学祭で忙しくなるから、その前に駅前にできたケーキ屋さん行かないって言ったの」
そう言って俺を覗き込む茉央の首には、この前あげたばかりのネックレスがキラリと光る。
「嫌なら別のとこでもいいよ?」
もう1年以上も一緒にいて、こうしてよくデートもするし、茉央が俺の家に泊まっていくことも増えた。
なのに、モヤモヤしたものはずっと取れないままで。むしろそれは大きくなるような気さえした。
「いや、いいよそこで。行こ。」
「やった、行ってみたかったんだよね」
茉央にあげたネックレスを選びに行った日、それを見て思い出したことがあった。