あのね、先生。
スターチスを知ってしまった時、茉央の頭の中に俺の存在ってあった?
俺あのときからすげー不安だよ。
まだ、ダメなわけ?
今茉央の傍にいるのは俺。
それなのに、多分茉央は無意識に蓮くんのことを考えてしまってる。それも、俺に気づかれないように必死で隠して。
「茉央」
「なに?」
それを見るのも辛い。
茉央は多分、心の中に俺以外の存在があったとしても、それを俺に言うようなことは絶対にしない。
それが俺を一番傷つけるって思ってるから、自分の気持ちを押し殺す。
ごめん、茉央。
何となく分かってるけど、どうしてもこの手を離すことは出来ない。
「…いや、何でもない。」
だって俺そんなに優しくないよ。