あのね、先生。
昔から、蓮がっていうよりは俺の方から関わりに行ってたって感じだったし。
高校生の時に言われたことがある。
お前蓮の保護者かよ、って。
確かに、今考えればあの自由奔放な蓮をまともに学校に通わせてたのは俺だって言っていいくらいだ。
そのくらい、俺は昔から蓮に甘い。
…だからだろう。遅れてきても俺は怒らないって分かってんだ、あいつは。
なんて考えてると、ガラガラと開いたドアから顔を覗かせたのは今俺を待たせてる蓮だった。
「お、来てる」
「来てる、じゃねぇよ。お前ほんと毎回遅れてくるよな、自分から誘っといて」
「んふふ、ごめんって」
こんな風に、喋ってると怒る気がなくなるっていうのはこいつの天性のものだと思う。つーか絶対そう。
まぁいいか、なんて思ってしまうから。