あのね、先生。

まぁ、茉央ちゃんに会ってないならそれも仕方ないことなのかもしれない。

たとえ気になったとしても、蓮にはそれを聞ける相手がいないだろうから。

｢…まぁ、そうだったとしてもそれはお前が選んだことだろ｣

こうなることを望んだのは蓮。

それが本心じゃなかったとしても、相手に伝わってないなら今どういう結果になっていても仕方がない。


｢うん。でも後悔しかない｣

｢…だからあのとき言ったじゃん｣

絶対に後悔するって。

それでも茉央ちゃんを突き放したのは、恋人としていられない状況なのに、これから先ずっと自分を好きでいてほしいなんて言えなかったから。

自分は教師で、茉央ちゃんは生徒で。

多分思ったんだろう。

どうなるか分からないような関係より、何の障害もなく普通に恋愛できる方が茉央ちゃんにとっていいって。

それと同時に、いつか自分に気持ちがなくなったときに離れていく茉央ちゃんを見たくないと。