あのね、先生。
追いかける背中は


今日は朝から忙しくて、ちゃんと優真と話すことがないまま学祭の2日目を迎えてしまった。

それでも一緒に回る約束はしたから、今は優真からの連絡待ちだ。

「梨花はシロと回るんだっけ?」

「うん、どうせ2人とも一緒に回る相手いないからって」

「そっか。何だかんだ仲良いよね、2人」

気がつくとシロと梨花はいつも一緒にいる気がする。

4人で集まるとあたしは優真と、梨花はシロと話すことが多いから、一緒にいて楽なのかもしれない。


「男友達みたいな感じじゃない?多分気遣わないから一緒にいて楽なんだよ」

男友達って…シロはそう思ってないと思うんだけどな。

だってシロ、たまに梨花のことをすごく優しい目で見てたりする。

それは誰が見たって、男友達みたいな存在の子に向けるような目じゃないって分かるんじゃないかな。

それに梨花も、シロ本人も気づいてない。
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