だから、好きだって言ってんだよ


エレベーターで1階まで降りたあと、無我夢中で走ってショッピングモールを出た。


そして、全速力で近くにあった大きな公園の中へやって来た。



「はぁはぁ……っくるし」



一瞬触れただけだけど、唇の感触がまだ残っている。



涙は乾いたけど、胸は苦しいままだった。



なんで……?


どうして?



いきなり、キスなんてしたの……?



ファーストキス、だったのに。


あたしのことが嫌いなんでしょ?


それなのに……どうして?



友達だと思ってないなら、いったい何?


『こういうこと』って、どういうこと?



未だにわからなくて、胸の中がモヤモヤで埋め尽くされていく。



「あーもう……!」



ベンチに座って、火照った体を冷ます。



さっきの光景がいつまでも頭でリピートされていた。


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