だから、好きだって言ってんだよ

「いい加減、素直になりなよ～！」



脇腹を肘で小突かれて、恥ずかしさで胸がいっぱいになっていく。



「す、素直になるもなにも、陽平なんてどうでもいいもんっ」



「またまた～！そんなんだと深田さんに奪われちゃうよ？」


「……っ」



まりあの言葉に、グッと声を詰まらせた。


深田……さんか。


確かにね。


すっごく頑張ってたし。


諦めないって、言ってたもんね。


心の中はモヤモヤが残ったまま晴れない。


陽平が深田さんと付き合うことになっちゃったら、どうしよう。


それは嫌だな。


って、あたしったら。


なんで深田さんのことを気にしてんの？



「べ、別に陽平が誰と付き合おうと関係ないよ」



そうだよ、関係ない。


あたしがどうこう言う権利なんてないんだ。



それに、イジワルな陽平だよ？


今まで散々イジワルされて来たのに、その陽平を好きになるなんて絶対にない。


助けてくれた時はカッコよく見えたけど、冷静に考えたらありえないよ。