だから、好きだって言ってんだよ


ねぇ。


あたしのこと、どう思ってるの……?


友達じゃないんだよね……?


それって……どういう意味で言ったの?



あたしのことが……好き、なの?



「何怒ってんのか知んねーけど、機嫌直せよ?な?」



そう言って陽平は、ぎこちなく微笑んだ。


いつものイジワルな顔なんてひとつも見せずに、まるであの優しかった時みたい。


そんな風に言われちゃったら、あたしだって。



「……うん」



素直に頷くしかなかった。



「それより……なんか用事だった?」



「あー、今日クレープ食って帰らねー?」



「え?クレープ……?」



「あ、いやぁ。嫌なら……いいけど」



照れたように頬を掻く陽平に、胸がドキッと高鳴った。



やんちゃな風貌に似合わず、陽平は甘いものが大好き。


そして、あたしも甘いものが大好き。



「ううん……嫌じゃないよ」



たったそれだけのことに、頬が緩んでにやけちゃう。


さっきまでモヤモヤしてたのに、そんな気持ちは一瞬で吹き飛んでしまった。



そこで気付いた。


陽平に翻弄されてるあたしがいることに。

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