だから、好きだって言ってんだよ


そのあとの授業はそわそわして落ち着かなかった。


放課後が待ち遠しくて仕方ない。


前の席に座る陽平の背中に、ドキドキが止まらなかった。



英語の先生の声が耳に入っては抜けて行く。


異国の言葉を流暢に話すそのサマは、多くの人の眠気を掻き立てるようで。


後ろから教室内を見渡すと、頬杖をつきながら寝ている人が何人かいた。



ぷっ。


陽平も寝てるし。


頭がカックンカックンなってて、笑いが込み上げて来る。



成績は良くも悪くもなく同じくらいで、中学の時はサッカー部に入ってたけど高校では部活に入っていない。


隙があればお調子者のクラスの友達、坂上君とじゃれ合ったりふざけ合ったりして過ごす毎日。



どうしよう。


あたし……そんな陽平にとてつもなく惹かれてる。


理由はわからないけど、1ヶ月前までにはなかった感情が胸にあった。


でも、変だよ。


友達だったはずなのに、そんなに急に見方が変わるもの?


おかしいよね。


自分で自分の感情がよくわからなくて、頭の中がパンクしそうだった。


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