だから、好きだって言ってんだよ


誤解は解けることなく、特に何の進展もないまま気付けば夏休みはもう目の前。



「はい、ちゅうもーく!終業式の日に、みんなで花火をやろうと思いまーす!」



ある日の放課後、クラスでもリーダー格の陽平の友達、坂上君が教卓の前に立って大きな声を出した。



お調子者、能天気、明るいバカ。


なんて言葉がピッタリ当てはまる坂上君。



イタズラな笑顔を浮かべながら、夏休みが待ちきれないと言わんばかりの様子。



「参加者はクラスの奴なら誰でもオッケー!参加したい奴は、それぞれ花火持参で7時に上の花公園に集合ってことでよろしく~!じゃあな〜!」



言いたいことだけ言って、颯爽と教室をあとにする坂上君。


そんな自由奔放なところが坂上君らしいというか、みんなも慣れてるのか特に何も言う人はいない。


花火か。



坂上君が企画したんだとすれば、仲の良い陽平も当然来るよね。


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