だから、好きだって言ってんだよ

陽平に続いて教室に入ると、ギリギリに来たこともあってかほとんどの席が埋まっていた。



あとから入って来たあたし達に気付く人はいなくて、教室内はかなり騒がしい。



席が近い人同士で集まって話したり、前後でヒソヒソと話したり。


すでにグループができ上がりつつあった。



初めましての挨拶とか、どこ中出身だとか。


そんな会話をする声があちこちから聞こえて来る。


やば、完全に出遅れちゃったかも！



男子も何人かで集まって騒いだりしていて、大人しいクラスじゃないってことが一瞬でわかった。



「俺の席はっけーん」



教室内をぐるりと見回していると、陽平の呑気な声が聞こえた。


どうやら席を見つけたみたい。



ということは。



「お、愛梨は俺の後ろか」



やっぱり……。