だから、好きだって言ってんだよ
「行くの?花火」
「あ、うん!まりあが行くから!」
「そっか。俺と同じ理由じゃん」
「まぁね!」
あたしがそう言ったところで、あたしの前に座っていた陽平が立ち上がった。
それを見た芹沢君が陽平に向かって声をかける。
「三浦は行くの?」
ーードキッ
「え?あー、まぁ」
少しビックリしたような顔をしながら、素っ気なく返事をする陽平。
やっぱり陽平は、芹沢君のことが嫌いなんだろうか。
これまでにも、芹沢君と絡むところを見てないし。
話したのって、あの映画の時くらいなんじゃないかな。
席も離れてるし、接点がないと言ったらそうなのかもしれないけど。
でも、陽平はやっぱり芹沢君を敵対視しているような気がする。
「なんだよ、曖昧な返事だな」
返事を濁した陽平に芹沢君は苦笑いした。