だから、好きだって言ってんだよ
みんな花火をバラすのも忘れて、次々に打ち上がる大型花火に釘付け。
「次、ナイアガラの滝ね」
うわ、綺麗。
あたしは、手を止めて夢中で見つめていた。
「ぷっ。愛梨の顔、ウケるんだけど」
隣に気配を感じてそこを見れば、花火に照らされた陽平のイジワルな笑顔があった。
夜だからなのか、それとも雰囲気のせいか。
すごく色っぽくて、ドキドキが加速していく。
右隣だけが異様に熱いけど、それは夏のせいなんかじゃない。
「な、ウケるって……!?失礼な!」
こうやってムキになって言い返すのは、単なる照れ隠し。
陽平に話しかけられて、ホントはすごく嬉しいくせに。