だから、好きだって言ってんだよ


それからも、しばらく大型の花火が続いた。


陽平と並んでそれを見る。



何気にまとまりがあるうちのクラスは、花火に火を点ける人、ゴミをまとめる人、盛り上げる人。


役割を決めなくても、個人がそれぞれ動いてテキパキとこなしている。


だからこそ盛り上がって楽しいんだ。


それぞれで楽しむつもりだったけど、いつの間にか大きな輪になってひとつの花火で盛り上がっていた。



坂上君は盛り上げる役。


普段なら陽平もそこに混ざっているけど、今はあたしの隣にいる。


芹沢君とまりあは花火を見つつゴミを集めて回っていた。


あたしはその中でも、見ているだけの人。



「うわっ、お前!マジやめろって!」



「あちっ!おい、こっちに向けるなよ!」



「はは!やれやれ~!」



いつも陽平のグループにいる男子の1人が、ふざけながら大型花火を手に持って人に向けている。



周りの男子は焦って逃げ回っているけど、花火を手にしている男子は完全にフザけモードに入ってる。



「ちょ……やめた方が」



さすがにそれはちょっと危ない気がする。


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