だから、好きだって言ってんだよ


だけど。


止めに入ったら巻き添えを食うかもしれないという思いから、近付くことが出来ない。



周りは自分に危害が及ばないと思って、遠巻きに見て楽しそうに笑っている。


ううん、むしろもっとやれっていう感じで煽ってる。



ねぇ、誰も止めないの?


花火って、思った以上に熱いんだよ?


小さい頃に花火で火傷をしたことがあるから、ふざけているのを見て不安になる。



さすがに他の女子達も、みんな心配そうな表情を浮かべている。


こういう時、いつも止めに入ってくれるのはクラスのまとめ役でもある芹沢君。


だけど、彼はバケツに水を汲みに行くとかでこの場にいなかった。



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