だから、好きだって言ってんだよ


ーーヒューン


ーーヒューン



ロケット花火は、次々に上に向かって飛んで行く。



男子の一部はふざけ合って笑ってるけど、女子はみんな心配そうな面持ちをしている。



ホ、ホントに大丈夫なのかな……。



「手に持ってると火傷するだろ。地面に刺せよ……」



それでも陽平はさらに止めに入った。



「いいだろ。人に向けて飛ばしてねーんだから」



「それでも、当たったらどうすんだよ」



少しムッとしたように、男子の腕を掴んで止めようとする。



「お、おいっ!やめろって……あ」



焦ったような男子の声が聞こえたその時ーー。



ーーヒューン



手元が狂ったのか、ロケット花火は上ではなくこっちに向かって飛んで来た。


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