だから、好きだって言ってんだよ
まだまりあのことはよく知らないけど、あたしはこの短時間でまりあのことが好きになった。
「ところでさ、一緒に教室に入って来た人って彼氏?」
まりあはニヤリと笑いながら、輪の中心になってはしゃぐ陽平に目を向けた。
「いやいや、違うよ!小学校からの友達なだけ!」
手と首をブンブン横に振って、大げさなほど否定する。
ナイナイ!
ありえない!
勘違いされるとか、本当に嫌だし。
高校に入ってから、素敵な人を見つけるって決めてるもん。
陽平との仲を誤解されるだなんて、嫌に決まってる。
「友達、か。すっごいカッコ良いよね!」
え!?
カッコ良い……?
「まりあ、騙されてるよ!確かに顔はイイけど……!性格は本当にガキっぽいよ!イジワルだし」
っていうか、陽平にまりあはもったいないよ。
似合わないよ。
まりあがかわいそう!