だから、好きだって言ってんだよ


きっと、偶然だよ……。


うん、多分そう。


絶対……そう。


陽平はきっと、これまでみたいに困った顔をしているに違いない。


そっけなくうまく交わして、深田さんを突き離すはず。



だけどあたしの願望とは裏腹に、2人は並んで歩き出した。



それを見て胸が張り裂けそうなほど締め付けられる。


苦しくて苦しくて。



なん、で……?


どうして……?


待ち合わせ、してたの……?


それとも、一緒に来たの?



ウソだと信じたいけど、頭が混乱している。



なんで?



そんな疑問ばかりが頭を埋めつくす。



答えなんてわかるわけがないのに、気になって仕方なかった。

< 197 / 303 >

この作品をシェア

pagetop