だから、好きだって言ってんだよ
「なんで俺を見てたんだよ?」
そしてイスを引いて自分の席に座ったかと思えば、ヘラヘラ笑いながらあたしの顔を覗き込む。
パッチリした大きな澄んだ目は、あたしをからかうネタを探していることがうかがえる。
スッと綺麗に通った形のいい鼻と薄い唇。
認めたくないけど、カッコ良い。
ナイけどね。
ときめいたりもしないし。
っていうか、友達にときめくとかありえないから。
「ガキだなぁって思って見てただけ。それよりさ、友達が出来たんだよ!可愛いでしょ?」
隣にいるまりあを陽平に紹介する。
こーんな可愛い子、めったにお目にかかれないんだからね。
「どうも~、西澤 まりあでーす!」
「うわ、愛梨と違ってすっげえ女の子らしいじゃん!よろしく~」
「な、なんであたしと比べんのよ!」
しかも、爽やかに『よろしく~』だって。
あたしの時とはえらい違い。
なんかムカつく。