だから、好きだって言ってんだよ


「あの……陽平君のことなんだけど」



深田さんの顔は真剣そのもの。



なんとなく聞かれるだろうなって予想はしてたから、別に驚きはしない。



あたしと深田さんを繋ぐものって、陽平のことしかないし。



「吉崎さんは、好きじゃないんだよね?」



ーーッ



なんで、そんなことを……?



「ごめんね、なんか気になっちゃって。吉崎さん、陽平君と仲良しだし……。どうなんだろうって」



深田さんは今にも泣き出してしまいそうなほど、悲しそうに顔を歪めている。


そして、気まずそうに目を伏せてとうとう俯いてしまった。



陽平と付き合ってるから、仲の良いあたしに対して不安になったってこと……?



それとも、ただ聞きたかっただけ?


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