だから、好きだって言ってんだよ
揺れ動く気持ち
それからは、当たり障りのないように陽平と接した。
2学期になってから席替えも済んで、ようやく陽平の後ろから解放されたこともあり、ちょうど良かったと思っている。
だって、そばにいると意識しちゃうから。
真ん中の列の前から3番目の席になったあたしに対して、陽平はその隣の列の1番後ろ。
振り返らなきゃ陽平の姿が見えないから、うっかり目が合うこともない。
まりあと離れちゃったのは寂しいけど、それでも前よりグッと仲良くなっていつも一緒だった。
「やっべ、教科書忘れたー!あいりん、見せて?」
「また?坂上君、本当によく忘れ物するよね」
「仕方ないだろー、忘れちまうもんはさ!逆にここまで忘れられるってスゴくね?」
いや、ドヤ顔でそんなに開き直られても。
全然スゴくないからね?
坂上君はもっと反省するべきだよ。
「坂上から忘れ物を取ったら、他に何も残らないよな」
「あはは。芹沢君、それかなりウケる!」
そうなのです。
新しい席は、隣に坂上君、前が芹沢君という感じ。