だから、好きだって言ってんだよ


騒がしい坂上君に呆れつつも、なんだかんだで楽しかったりする。



坂上君は騒がしいけどいつも笑わせてくれるし、芹沢君はたまに毒舌だけどほんわかしてて優しいし。


傷付いた心を癒すにはもってこいの席。



「あいりん、お願い」



パンッと両手を顔の前で合わせながら拝んでくる坂上君に、ついつい流されて結局負けてしまう。



「仕方ないなー!次はないからね」



「サンキュー、さすがあいりん!」



「もう!調子いいんだからっ」



なんて言いつつ、見せてあげるあたしもあたしだ。



ちょっとは危機感を持ってよ。


先生にいくら注意されてもヘラヘラ笑ってるし、反省のカケラもないんだから。



しばらくすると先生がやって来て授業が始まった。



プリントが配られて、後ろへ回そうと振り返った時。



ーードキッ



わわ!


やばっ!



窓際の1番後ろに座る陽平と、思いっきり目が合ってしまった。



なぜか陽平はムッとしていて、明らかに機嫌が悪そう。



どうしたんだろう。


何かあったのかな……?


< 235 / 303 >

この作品をシェア

pagetop