だから、好きだって言ってんだよ
わっ!
やばっ!
黒板の前に立っていた先生が手を止めてあたしを見る。
「なんだ~、吉崎。急に大声出して、どこか間違ってるか?」
クラスメイト達も、みんなあたしに注目していた。
恥ずかしさでいっぱいの中『なんでもありません』と返事をして小さくなる。
最悪だよ……。
当の坂上君は面白そうに笑ってるし。
こうなったのは、坂上君のせいなんだからね!
しばらくすると、先生が黒板に向かう手を再び動かし始めて授業が再開された。
それでも、隣からクスクス笑う坂上君の声は鳴り止まない。
「ちょっと!何笑ってんのよ」
今度は小声で言って、睨み付けてやった。
本当、ありえないんだから!