だから、好きだって言ってんだよ


9月も後半に入った。


あれ以来陽平は何も言って来ないし、あたしからも声をかけていない。



たまに目が合うと、向こうからそらして来たりあたしからそらしたり。


そのたびに陽平が申し訳なさそうに眉を下げていることに気付いていたけど、知らないフリをした。



教室にいるのが嫌だから、最近の昼休みはまりあと一緒にミーコの教室で過ごしている。



2人は陽平と話さなくなったあたしを心配してくれているけど、もうどうすればいいのかわからなかった。



「この際、陽平君のことなんか忘れてパーッと遊びに行こうよ!ね、ミーちゃん!」



「そうだね!そうしよ!」



ミーコの机にうなだれるあたしを元気付けようとしてくれる2人。


心配させまいと、あたしは力なく微笑んで見せた。



「もう、ムリして笑わないの!」



「そうだよー、そんな痛々しい笑顔は見たくないんだからね」



ムリしたのは逆効果だったようで、余計に2人を心配させてしまったようだ。


ううっ、ごめんね。



< 245 / 303 >

この作品をシェア

pagetop