だから、好きだって言ってんだよ
「うん。いつもはもうちょっと早いんだけどね」
今日は寝坊していつもより遅くなっちゃった。
「ノリは朝練?」
ほんのり汗をかいて暑そうだし、髪の毛や制服も乱れている。
間に合わないから、急いで着替えたのかな?
「うん。マジメに出るなんて偉いっしょ?」
「あはは。いつもはサボってるんだ?」
「うーん、いつもじゃないけど」
話しながらのんびり履き替えていると、隣に人の気配を感じた。
何気なく見るとそこにいたのは陽平で、ノリと話すあたしを無表情に見下ろしている。
あれ以来まともに話していないから、正直かなり気まずい。
それに、久しぶりにこんなに近くで顔を見たかもしれない。
それほど、今は関わりがなくなっていた。