だから、好きだって言ってんだよ
陽平の彼女
もう!
もう……。
もう……!
色んなことがよくわからない。
なんであんなに怒ってたの?
話せなくなって、胸が苦しい。
心が痛い。
頭を抱えて机に突っ伏す。
いろいろ考えすぎて、完全にキャパオーバー状態。
それでも、話したい……。
陽平と、ちゃんと話したい。
でも……話しかける勇気がない。
「あいりん、教科書見せて?」
「…………」
授業が始まる1分前、またもや坂上君のいつものお願い攻撃を受けた。
無言で机をくっ付け、その真ん中に教科書を置く。
2日に1回は、こうして坂上君に教科書見せて攻撃をされている。
いい加減にしろよと言いたいけど、言っても変わらない気がするからスルー。
最近じゃこうやって教科書を見せるあたしが悪いのでは?なんて思い始めた。
「サンキューね。いや~、本当助かるよ」
「今度お礼してよね」
ホント、冗談抜きで。
それくらい、坂上君に貢献してると言っても過言ではない。
「うん、するするー!」
「…………」
絶対しないでしょーが!