だから、好きだって言ってんだよ
お、お願いだから何か言って。
黙り込まないでよ。
「行って来いよ、陽平~!」
「そうだそうだ。バカヤロー!」
「とっとと行け!」
周りに急かされつつ、陽平は渋々立ち上がった。
そして、あたしの顔も見ずにスタスタ歩いて行く。
やっぱり……まだ機嫌悪い?
怒ってる?
伝えようと決めたはずの固い決意が、だんだんと不安に変わっていく。
ダメダメ、なに弱気になってんの。
「頑張ってね、あいりん」
歩き出そうとした時、坂上君に肩を叩かれてコソッと耳打ちされた。
「うん!ありがとう」
不安だけど、陽平とちゃんと話したい。
素直になって気持ちを全部伝えるんだ。
だから、頑張れあたし。