だから、好きだって言ってんだよ
教室を出て、しばらく無言のまま2人で階段を下りた。
どこに向かってるのかわからないけど、ピリピリモードの陽平の背中に声をかけることが出来ない。
とりあえず、隙を見て話しかけてみよう。
そういえばあたし、前に『大バカ!』って言っちゃったっけ。
それも謝らなきゃ。
「愛梨ちゃん?」
「へっ?」
え?
あ……。
「ノ、ノリ」
階段を下りきった時、不意に名前を呼ばれて顔を上げた。
そこには親しみ溢れる笑顔を浮かべるノリの姿。