だから、好きだって言ってんだよ


教室を出て、しばらく無言のまま2人で階段を下りた。


どこに向かってるのかわからないけど、ピリピリモードの陽平の背中に声をかけることが出来ない。



とりあえず、隙を見て話しかけてみよう。



そういえばあたし、前に『大バカ!』って言っちゃったっけ。


それも謝らなきゃ。



「愛梨ちゃん?」



「へっ?」



え?


あ……。



「ノ、ノリ」



階段を下りきった時、不意に名前を呼ばれて顔を上げた。



そこには親しみ溢れる笑顔を浮かべるノリの姿。


< 278 / 303 >

この作品をシェア

pagetop