だから、好きだって言ってんだよ


結局まりあはそれ以上教えてくれなくて、解決しないままモヤモヤした気持ちだけが残った。



授業が始まる頃には陽平も戻って来て、他のクラスメイトに対しては普通なのに、あたしにだけは感じの悪いままだった。



なんなの、ホント。


わけ、わかんない。


やっぱり嫌な奴だよ。




「愛梨」



放課後になって、ミーコが教室にやって来た。



ツヤツヤの黒髪が相変わらず綺麗。



「ミーコ!来てくれたんだ?ごめん、すぐ用意するから」



掃除が長引いて帰る準備がまだだったため、ミーコの姿を見て慌てて取り掛かった。


< 32 / 303 >

この作品をシェア

pagetop